てっきり、どちらの池も自然に作られたものだと思っていました。 ところが、石神井池は人工的に作られたものだと知って、確かめに行ったわけです。 石神井公園、何度も来た事があるのですけどね。
石神井は「しゃくじい」と読みます。
石神井池の周辺地形
さて、こちらが、その石神井池
石神井公園の石神井池 |
この石神井池は、昭和9年(1934年)、三宝寺池の湧水から石神井川まで流れていた川を、道路をかさ上げする事によりせき止めて作られたものだそうです。 これは行政のトップダウンではなく地域住民の協会による事業だったそう。
…要するに、石神井公園の石神井池はダム湖だという事。
しかしながら、ダムといえば、あたりまえだけど、水の流れる口がザバーッとなってて、これも当然の事ながら、水の流れる先は湖面よりも低くなっているはずなのですけど… はて、石神井公園、そんな景色だったかしら?
石神井公園周辺をグーグルマップで表しますと
緑の矢印から東に「和田堀緑地」とありますが、この緑地が、かつての、石神井池から石神井川への水が流れていた所です。
そして立体地図を見てみます。
(この地図は[国土地理院 基盤地図情報(数値標高モデル)][国土地理院 電子国土Webシステム][カシミール3D]を使用しています) |
別角度から見ると…
(この地図は国土地理院の基盤地図情報(数値標高モデル)とカシミール3Dを用いて作成しました) |
…全然ダムっぽくないです。 本当に道路をかさ上げして水をせき止めたのであれば、道路だけが高くて、和田堀緑地の方は低くなければいけないのですが、たいらです。 この地図は標高を強調しているにもかかわらず、高低差は分からない。
こうなれば、自分の目で見るしかないわけで。
現地調査です
まずは、石神井池と和田掘緑地の接点。
おお。ちょっとダムっぽいですね。
ここで落ちた水はすぐに地下に滑り込んでいます。
…ちなみに、私、そこまでダム好きというわけではありませんで。 だって、24年間富山県で生まれ育ったのに黒部ダムには行った事が無いですから。 ダム好きの方に、この程度の落差はダムじゃないっ!って怒られても仕方がないですけどね。 もしかしたら今回の記事、ダム好きの東京人なら常識だったりして。
(追記:厳密には、この落差では堰であり、ダムとは言えないそうです)
水の流れる先、和田掘緑地から石神井池方向を見ると…
ちょ~っとだけ道路が高くなってるかなぁ… という程度ですね。
別の角度からも検証。
この建物は石神井池の向かいにあります。
建物の向こう側は低くなっているのか? と思い、反対側に回ってみると、
高低差は、これくらい |
…分かりにくい。 でも、塀に近づいて覗きこむと、高さの差はありました。でも、その差は1mも無い。
道路をかさ上げしてせき止めた後、この辺りの土地もかさ上げしたのかもしれませんね。
この和田掘緑地も、明治初期はこんな綺麗じゃなかったはずですし、本来の水面に蓋をしたと考えればいいでしょうか。
…そんなこんなで、高低差はまことに分かりにくく、石神井池は人工的にせき止めて作られた事に気が付かないのは、あたりまえかなと思います。
でも、1度、それを知ってしまったら、
同じ写真をもう1度 |
もう石神井池はダム湖にしか見えません(^_^;)
これからは、石神井公園の石神井池は、勝手に、石神井ダムと呼ぶ事にします。
(参考文献)
東京の公園と現地形 田中正大 けやき出版
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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