2015年1月12日月曜日

公共事業は、えらべる。~久我山道路整備~

場所: 日本, 東京都杉並区久我山1丁目
公共事業で道路などを作るにしても、そのデザインは一方的に決められてしまうのが普通ですよね。

…しかし! 住民にデザインを選んでもらう道路公共事業もあるのです! しかも、現実的にイメージしてもらうために、わざわざ、実物大の見本まで作ったのです。 そんな事業を、杉並区久我山で見つけました。


それは気遣いか?それとも?


それは、千歳烏山から烏山寺町を通り、久我山駅から家路につこうと思い、北方向に歩いていた時、見つけてしまったのです。


新しい道。 だけど、まだ未完成。


100mにも満たない所で、行き止まりになっています。 なんとも中途半端。

用地確保が遅れているのでしょうか? それとも?



その答えは、この案内板に集約されていました。

表題には「道路と緑地のモデル整備をしました」とあり…

要するに、新しい道路を作りにあたり、事業用地の一部を見本として先行開発して、住民の方々に、今後の開発方針を決めてもらおう。 住民にとって分かりやすいのは、そのもの実物を見せる事だ! というものです。

事業内容
公共事業っていうのは、一方的に決めつけて作られるものですよね!?

そういうものだけではない。 という事でしょうか!?

住民の意見を聞くために、わざわざ、いろいろなバリエーションの見本を作るなんて、なんて大変な気遣いなんでしょう!?



…いや、まてよ、もしかしたら(この疑念は本記事の最後に)

この地図は国土地理院 電子国土Webシステムを使用しています。
この事業は、久我山の人見街道から中央自動車道の下を結ぶ道路を作るもので、玉川上水の両脇に道を作ります。

玉川上水 ひっそりと在る水難者慰霊碑
自分は地方出身者なので、道を作る公共事業といえば、不必要にでかい道を作ったり、でかい橋を作ったり、ほとんど利用しない農法をわざわざ舗装したりと、無駄なものだという印象が強いのですが、ここは、どうなんでしょうねぇ。

でも、このあたりの道は狭いし、特に、この現場の南の道路…国学院バス停付近は、見通しが悪いうえに歩道も無くて、すごく危険だと思うので、この新しい道で少しでも緩和できればいいのではないでしょうか。



これが、その危険な道。 この先で、歩道が完全になくなっているのが、よく見れば、お分かりいただけると思います。
(今の時代はグーグルストリートビューがあるから便利ですよねぇ)

この道も相当危険ですが、杉並区南部の京王線沿線は特に、歩行者に優しくない道が多いんですよね。 詳しくは、本ブログの浜田山の記事をご覧ください。




…おっと、はなしがそれた。

それでは、新しい道路を作りにあたり、どのような見本が展示されているのでしょうか?



1つは、車道と歩道の間。車道と歩道の間には広い緑地帯がありますが、家から自動車が出入りする際に通る道をどう整備するか。

副道による方法と、切り下げによる方法が、選べるようです。

切り下げによる方法は、単純に、駐車場の前を開ける方法で、メリットは、緑地帯を多く残せる事。

副道による方法は、緑地帯の場所に住宅に出入りする車両専用の道を作る方法で、メリットは、車道の安全性向上と遮音壁の連続性… ですが、言葉では、なかなかピンとこないですよね。

切り下げによる方法

…ところが! それが、見本として目の前にあるのです!

はい、これが、切り下げによる方法!

百聞は一見に如かずとは、まさに、この事ですね!!


緑地に植える植物についての説明書きもありました。

植物の種類は…選べないようですね。



選べるもの、もう1つは、築堤です。

車道と歩道の間に設ける堤防の種類が、3種類から、選べます!
(写真が不鮮明でスミマセン)



3種類の実物を作りましたので、選んでください! と言わんばかりです。



…ところで、築堤の種類が決まったら、すでに見本として作ってしまった他の種類のは取り壊すのでしょうか? …もったいない気がしますが、かといって、不統一な景観も気になるし…


これは、数年後、道路事業が完成した頃に、またここを訪れることにしましょう。


さて、最後に…

わざわざ見本を作った真の意図は、どこにあるのでしょうか?

もちろん、実物の見本を作る事で、住民の意見が聞きやすくなり、納得していただくため。 だと思いたいですよ。

…でも、私は、あまのじゃくで、黒い人間なので、良くない可能性を考えてしまうのですよ…









あのですね。

心理テクニックの本によく載っている話なので、聞いたことがあると思うのです。

選択肢を提示されると、断りにくい。 というテクニックを。

例えば、デートに誘う場合「動物園と、水族館、どちらがいい?」と、いきなり選択肢を提示すると、相手は「そもそもデートに行きたくない」とは、言いにくい。 という話ですよ。

つまり、わざわざ見本を作って住民に選択肢を与えたのは、この事業そのものに対する反対意見を抑える心理テクニックなのかも…! と考えてしまうのです!








…いや、こんな事を考えてしまう私は、心が黒いと思います。

あ、ちなみに、黒い心は持ってても、それは脳内シミュレーションに留まる事がほとんどで… 実際には、オクテなので、この心理テクニックを使ってデートに誘った事など一切ありませんのでご安心を(>_<;)


今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!



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